ja.wikipedia.org/wiki/エシカル - キャッシュ
エシカル(ethical)とは、「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞である。近年は、英語圏を中心に倫理的活動を「エシカル(ethical)○○○○」と表現し、エシカル「倫理的=環境保全や社会貢献」という意味合いが強くなっている。 ...
東北大震災で見直された知見です。
3年前とは、すばらしい才能に敬服します。
2008年3月4日
(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事
本来、エシカル(ethical)という言葉は「道徳上の」とか「倫理的な」などを意味する形容詞だ。ところが近年、この言葉が、英語圏において少し踏み込んだ意味を持つようになった。環境や社会に配慮している様子を表すというのだ。
例えば、エシカルインベストメント(倫理的投資)やエシカルコンシューマー(倫理的消費者)などの語は、環境保全や社会貢献に寄与する投資や消費者を表す。エシカルは今後、日本でも頻出する概念になるかもしれない。
エシカルファッションは、まず「倫理的に“正しく”製造されているか」を問う
まずはエシカル概念の一例として、エシカルファッションを紹介したい。これまでのファッションは、デザインが優れているかどうかなどをまず気にする。だがエシカルファッションでは、その前段階として、倫理的に“正しく”製造されているかどうかを気にする。
ここで言う倫理的な“正しく”とは、環境や社会に対する配慮を意味する。例えば環境への配慮とは、オーガニックコットン(有機栽培綿や無農薬栽培綿)の利用などを指す。また社会への配慮とは、フェアトレード(公正貿易)の実践などを指す。ちなみにフェアトレードとは、開発途上国の経済を正しく発展させる目的で、搾取を廃して適正価格で行う貿易を言う。
環境や社会への配慮は、今やファッション界のトレンドである。“正しく”生産されたファッションを身につけることが、俗にセレブと呼ばれる有名人にとってのステータスにもなりつつある。
「エシカル」 2/3
U2のボノ氏は、新興国の安定的雇用と高いファッション性とを両立
エシカルファッションの盛り上がりを示すいくつかの現象がある。
例えばパリでは2004年から『エシカルファッションショー』が開催されている。昨年末までに3回の開催実績を持つ。趣旨に賛同する各国のデザイナーが参加。各々の新作コレクションを発表している。紹介するファッションは、フェアトレードの手法で生産されたものや、天然染料を用いたものなど様々だ。デザインの中に「環境汚染に対する問題提起」などのメッセージを込めるデザイナーもいる。
製品販売を寄付に結びつける取り組みもある。宝飾品ブランドのカルティエは2006年に「ラブチャリティーブレスレット」を販売した。この購入代金の一部を、環境保全や人道支援などの活動に寄付している。またニューヨークの靴ブランドであるトムズシューズは、顧客が靴を1組購入するごとに、同じデザインの靴1組を途上国の子供に贈るプログラムを実施している。
さらに人気ロックバンドU2のボノ氏などが2005年に設立したファッションブランド、イードゥンは、新興国の安定的雇用と高いファッション性とを両立させるコンセプトで人気を得ている。ちなみにボノ氏は、エイズ対策基金への寄付を行うプロジェクトであるプロダクトレッドを創始したことでも知られる。アップルが販売する赤色のiPodも同プロジェクトに参加した商品だ。このように現在のファッション界では、エシカルが重要な概念の一つに成長している。
「エシカル」 3/3
有名企業を「エシカルかどうか」によってランク付け
エシカルは何もファッション界に限定した概念ではない。実際、英語圏のメディアでは、エシカルを含む複合語を数多く見かけるようになった。例えば、エシカルデザイン(倫理的デザイン)、エシカルインベストメント(倫理的投資)、バイイングエシカル(倫理的に買う)、エシカリープロデュースト○○(倫理的に生産された○○)といった表現がある。
このうち最も有名なのがエシカルコンシューマリズム(倫理的消費運動)ではないだろうか。これは英国で発達した概念で「倫理的に“正しい”商品やサービスを選択しよう」あるいは「そうでない商品やサービスをボイコットしよう」と訴える運動だ。グリーンコンシューマリズム(環境配慮型の消費運動)の拡大版とも言える。
例えば英国のNPOであるECRA(Ethical Consumer Research Association)は、世界の有名企業を「エシカルかどうか」によってランク付けしている。その際に審査対象になるのは「汚染やCO2排出などに気をつけているか」、「基本的人権や労働者の権利に配慮しているか」、「動物実験や工場型畜産を行っていないか」、「反社会的な方法で利益を得ていないか」といった要素だ。このようなランキングを発表することで、同NPOは消費者に対してエシカルな購買行動を求めている。
「エシカル」は全体を包含する
このエシカルという接頭語は、今後、日本でも登場機会が増えるかもしれない。環境と社会への配慮を幅広く言い表せる概念であるからだ。
例えば「エコ」や「グリーン」などの言葉は、環境への配慮を表すことができるが、社会問題全体を扱うことはできない。またロハス(健康と持続可能性を重視するライフスタイル)の場合も、社会問題全般を扱うにはやや範囲が狭い。一方でエシカルは、これらの言葉がカバーできなかった「広範な社会問題や社会責任」を一言で言い表せる。日本語における、この言葉の使われ方に注目したい。
2011年8月 4日
阪急阪神HDの広報担当者は、産経新聞の取材に対し「国税当局の指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止を図っていきたい」と話している。
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(2011年8月 4日 09:06)
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